2009年 10月 03日
広がる不安

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平成21年度茨城県芸術祭美術展覧会第6科写真の部で奨励賞を頂きました。
入選点数は127点(応募総数は公表されていません)、その中から特賞1点、優賞3点、奨励賞6点の合計10点が入賞となりますので、ベスト10に入ったと思えば良いんですね。

アオコ(青粉)の発生している川を泳ぐ3羽の鴨。
泳いだ跡はキレイな3本の線とは程遠い乱れ広がった泳跡となっています。
この泳跡に現代の抱える地球環境問題を重ね合わせて、タイトルは『広がる不安』としました。

この一枚は偶然の重なりが撮らせてくれた一枚です。
この日コスモスを撮りに階楽園公園に出かけました。
早い時期でしたので目ぼしいコスモスが無く、トボトボと園内を歩き園内にある川に架かる橋を渡ると、この大量に発生したアオコを発見。
これは面白いとアオコを撮っていると、3羽の鴨が目の前に降り立ちました。
かなり、ラッキーです(笑)
最初、川の下流側から上流側に泳いで3本の泳跡を残しており、これだけでもかなり良い写真が撮れたと思い、私は帰る準備をしていました。
その後、3羽の鴨は向きを変え、こちら側を向いて泳ぎ更に橋の下を超えて橋よりも下流側に泳いでいった時にこの広がった泳跡を残してくれました。
慌てて何枚も撮りましたが5枚程度撮った後に3羽の鴨は飛んで行ってしまいました。
5枚の内、ピントが合っているのは2枚。鴨の位置がベストに撮れたのがこの一枚のみです。

その後、暫く待ってみましたが鴨が現れる気配はありません。
もう一度、このような光景に出会えないかと翌週同じ場所に立ってみると、アオコはキレイに無くなり、澄んだ川の流れとなっていました。

私の好きな写真家の一人、星野佑佳さんが風景写真誌の特集の中でこんな事を書いていたことを思い出しました。
「今日撮らなかったら一生撮れない、今日撮ったら二度と来なくても良い。という気持ちで撮っています」と。
一枚の写真に対する想い、そして執念を感じさせて頂いた言葉です。






というわけで、本展初日の今日、早速観に行ってきました。


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すみません、前回と同じようなで出しです(笑)




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会場入り口には、入賞者の名前がありました。
ちょっと、嬉しいですね!
親分、kashinさんは、今年も優賞です!凄いですね~
kashinさんのブログでの入賞作品紹介はこちらです。
ゾクッとする作品に目が釘付けです(笑)



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実際の展示はこんな感じです。
いつもは、私の写真一枚が暗く感じるのに、今回は私の一枚が明るく見えました(笑)
入選写真の両サイドでの2段展示に対して、入賞者は正面の1段展示なんですね。
まあ、ここまで差を付けなくても良いような気がしますけど・・・


そして入選作品の127点を一点一点を拝見させて頂きましたが、素晴らしい作品が選ばれていると感じました。
応募者の気持ちがストレートに伝わってくる作品が多いです。

こんな中で、入賞者10人の中に入れたことを光栄に思えます。
選んで下さった選者の先生方に感謝申し上げます。
ありがとうございました。





例年風景写真が少ない県展、今年はほとんど見る事は無かったですね。
それに花写真も無かったし、祭り写真も見かけませんでした。

審査評に審査主任の福田先生の選評が載っていました。
(1)時代背景を的確に描写しているか
(2)色や形に囚われて叙情性を失っていないか
(3)一時の物珍しさ心を奪われていないか
(4)類似類型性を避ける工夫がされているか
(5)作品の根底に人間愛や生気、品性が感じられるか
を審査の観点として総意をもって結果を出した(選出した)とのことでした。
素晴らしい観点だと思います。

いまやカメラはシャッター押せば、ピントが合った適正露出の写真を、誰でも苦労をすること無く撮ることができます。
そんな時代だからこそ、少なくとも写真を表現の一つとしている我々には写真を撮る意味を問いかけられているように感じます。
一枚の写真は人を愛する表現にもなるし、時として言葉を越えた武器の一つにもなります。
何を訴えたいのか?明確な一枚は、人々に芸術性だけでなく、希望を与える事が出来ると思います。

県展の会期は18日まで、少なくとももう一度、会場に足を運んでみようと思っています。
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by chihiro426c3 | 2009-10-03 21:31 | フォトコン関係


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