2010年 09月 20日
『渇いた街』  写団 22 Black Eyes 2010 写真展 出展作品 3/3
c0135535_13485066.jpg


今年の一月、第二週の日曜日の夜が明けきらない時間帯。
「頼むから有って欲しい・・・」と願いながら現場に到着。
願いが通じ、青いポリバケツの上に立派な注連飾りがありました。

昨年の"ひたちなか市美術展"に出展した作品と同じ場所で丁度一年後に、同じ状況が再現されていました。
自分では良いと思って出品した作品が選外となり、展示作品の一枚として会場に飾られ、自分の作品をただ茫然と眺めたあの日。
悔しさと苦い思いで涙した一枚。
もう一度撮り直したいと心に決め、その日を約二ヶ月待ちました。


昨年作品の自分で考えられる悪いところは全て修正しました。
まず、せっかくの注連飾りの色を無くしてはいけないと考えてモノクロはやめてカラーにしました。
そして、普通の目線の高さで撮ったのでは迫力が出ないと判断し、できるだけ低い位置から注連飾りに寄って撮影。
更に、露出を暗くし過ぎると人が目立たなくなるため、人が通る場所が明るく出来るギリギリの露出を選定しRAWで撮る。
嬉しい事に、昨年は無かったタバコの吸い殻や注連飾りのちぎれた紅白の紙も今日の撮影を後押ししてくれました。

まだ暗いうちからポリバケツに寄り添うようにして腰を屈めてカメラを構える。
水戸の一月の明け方は冷え込みます。
この日の水戸の最低気温は氷点下2.5度。
泣きたくなるくらい寒い。
おまけに人はなかなか通らない。
寒さに負けて、手で耳を温めたり、鼻水をかんだ時に限って人が通ります。
そんな時は慌て構えても既に人は通り過ぎたあと。
じっくりと待ちます。

約2時間の撮影時間の間に、シャッターチャンスは何度か訪れました。
ゴミ回収車が周囲を回っているのに気が付き撮影は終了。
体は冷え切って、近所のコンビニに駆け込み、暖かな缶コーヒーを買って一服。
今の自分に出来る事は全て出来たと思えました。

タイトルは最初に考えた『渇いた街』。
"乾燥"の意味の"乾"を使わずに、"渇"を使ったのは、"人の喉がかわく"時に使われる字を当てて、街だけでなく人との繋がりの意味を出すために拘って"渇"を使いました。

S90の最広角側で、ISO80。
評価測光を使いマイナス1EVの露出補正。
プログラムAEを使い、絞りF4.0で、シャッタースピードは1/40秒。
CANON DPPを使い、ホワイトバランスはオート、ピクチャースタイルはクリアー。
明るさの調整:+0.17、コントラスト:1、色あい:ゼロ、色の濃さ:ゼロ、シャープネス:8で現像を仕上げました。
現像を終えて、やっと笑顔になれた自分がいました。

偶然に撮ったのではなく狙って撮ったスナップ。
そして、撮るときも撮った後も妥協を許してはいけないことを教えてくれた一枚。
そんな作品で、今年の写真展への出展作品の紹介を締めくくります。
[PR]

by chihiro426c3 | 2010-09-20 14:37 | 写真クラブ


<< 18日はデジタルカメラマガジン...      『翼はあるのに』  写団 22... >>