カテゴリ:露出の話( 3 )

2010年 07月 24日
露出の話 3/3
さて、露出の話も今回が3回目で最終回となり、測光について記載をしたいと思います。
1回目と2回目の話がベースとなりますので、忘れてしまった人は1回目の話と、2回目の話を再度読み直し見てください。
今回は、前回よりも更に長文となります。ゆっくりと腰を据えて、そして覚悟して読んでください(笑)

測光という言葉を辞書で引くと、「被写体の明るさを測定し、露出(絞り値とシャッター速度の組み合わせ)を決めることである」と記載されている。一言で測光と言ってしまいますが、露出を測る代表的な方式には以下の3種類があります
(1)スポット測光
(2)多分割測光(平均測光・マルチパターン測光)
(3)中央部重点測光
コンデジ等では多分割測光しか搭載していな場合もありますが、殆どのデジイチにはこの3種類の測光方式が搭載され、撮影者が測光方式を選んで撮影を行う事になります。
“私は、そんなの選んだ覚えは無い”という方もいらっしゃるかもしれませんが、ご自分のカメラを良く調べてみて下さい。きっと、このどれかの方式で撮影をしているはずです。
では、この3つの測光方式はそれぞれどのように露出を測っているのでしょうか?

カメラは画面の中を幾つかのパターン(エリア)に分けて各々のパターン毎に測光できる機能を持っています。この測光するパターンは各メーカ、各機種毎に違います。下の絵は、簡易的に造った測光パターン(私が勝手に考えた)の例です。

c0135535_13413671.jpg


A:中央の一点だけを測光するパターン
B1~B4:中央付近を測光するパターン
C1~C4:画面の四隅付近を測光するパターン
この合計9個のパターンで測光すると仮定して、各測光方式を説明します。
でも、測光方式の名前を見ると何となく判るような気がしますよね(笑)

(1)スポット測光
中央のAのパターンだけで測光をします。BのパターンやCのパターンがどんなに明るくても、どんなに暗くても無視をして、Aのパターンのみで測光をします。私が一番多用する測光方式です。
(2)多分割測光(平均測光・マルチパターン測光)
全てのパターンで測光をします。そして、その全てのパターンから得られた測光値から平均値を求める測光方式です。私がスナップを撮影する際に多用する測光方式です。
(3)中央部重点測光
中央のAのパターンと、その周囲のB1~B4のパターンで測光をします。しかし、露出を決める際の測光値として最も重要視されるのがAのパターンで測った値で、B1~B4のパターン測った測光値は露出を決める際に影響度を少なくして算出します。中央に重点を置き、広い範囲も測光する方式と考えればよいでしょうか?
私はこの方式を殆ど使いません。しかし、風景写真等の世界では最も多く使われている測光方式です。

それでは、各々の方式で撮った写真を作例として下に載せてみます。
この作例は、ちょっと意地悪な構図で、地面に落下した夏椿の花を画面中央から少し外した位置に配置してみました。画面の中央は白い花びらで、地面は茶色と黒が混じったかなり暗い色となっています。
尚、この作例は以下の条件を固定して撮影をしています。
カメラ:EOS40D
レンズ:標準ズームを使い焦点距離は60mmで固定
絞り:F5.6
ISO:100
露出補正:無し
三脚:有り(カメラを固定して同一の条件で撮影)

作例4:スポット測光
c0135535_13485583.jpg


作例5:多分割測光
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作例6:中央部重点測光
c0135535_13492169.jpg


白い花びらの色に着目してください。作例4のスポット測光で撮った写真はかなりアンダー、作例5の多分割測光や作例6の中央部重点測光ではハイキーな花びらとなっている事が判るかと思います。同じ条件で撮って、測光の違いだけなのに何故こんな違いが出たのでしょうか? 答えは測光の対象物の光の反射率とその面積が関係します。

作例4のスポット測光で撮った写真と測光パターンの例を重ね合わせると下のようになります。
c0135535_13501576.jpg


先ほど、スポット測光ではAのパターン(エリア)でしか測光をしないと書きましたので、スポット測光の場合には白い花びらのみで測光をしていることが判ります。露出の話2/3で話をしたことを思い出してみてください。
“カメラは18%グレーを再現できるように造られているので、白をそのまま撮ると明る過ぎると判断して、グレーに近づけるように露出を暗くする”と書きました。つまり、今回の場合、スポット測光で測った位置の色が白なので周りがどんなに暗くてもその部分は測光に影響されず、測光した白をグレーに近づけるように露出が暗くなるようにカメラは露出を判断したことになります。

次に作例5の多分割測光の場合はどうでしょうか?
c0135535_13504758.jpg


一見すると、白い花びらが白く写り、土の部分も黒と茶色の部分がちゃんと写っているので良い写りのように思えますが、実際にはちょっと露出はオーバー気味です。夏椿の花びらは白く見えますが実際に部分的にほんのりと薄黄色が残り、この写真では花びらの階調が飛び気味です。
多分割測光では、画面全体を測光して平均値を使って露出を決定します。今回の作例では、画面の中で暗い部分が圧倒的に多いことが判ると思います。全体の面積に占める割合は、おおよそですが、黒に近い土の部分が4割、茶色に近い土の部分が3.5割、白い花の部分が1割、黄色の花弁の部分が0.5割、緑の葉の部分が1割といったところでしょうか? つまり18%グレーよりも反射率の低い面積が7.5割程度占める事になります。このような場合、多分割測光の場合は以下のように露出を判断します。

①暗い部分:反射率が低いのでもっと、露出を明るくしたいと考えます。
②黄色や緑の部分:光の反射率は18%に近いので、露出はそのままで良いと考えます。
③白い花びらの部分:明る過ぎるので、露出をもっと暗くしたいと考えます。
つまり、①の明るくする露出補正と、②の露出補正無しと、③の暗くする露出補正を、各々面積比で計算し、その平均値を露出値としてカメラが算出する事になります。
よって、今回は、①の暗い部分の露出を明るくしたいという面積が圧倒的に多いため、全体的にプラスの補正量で露出が決定され、全体的に明るい露出で写ったこととなります。

次に作例6の中央部重点測光の場合はどうでしょうか?
c0135535_13513380.jpg


多分割測光と同様に明るめの写真となり、多分割測光よりも更にオーバーな露出となり、完全に白い花の階調は更に飛び気味となっています。
中央部重点測光の場合、C1~C4のパターンの露出は無視され、AとB1~B4のパターンのみで露出が決定されます。
露出の決定に最も重要視されるのはAのパターンであり、この部分では明る過ぎると判断して暗くなるように露出を決定しようとします。これに対して、B1~B4のパターンでは白い花びらと暗い土の色が混在しているため、その色の反射率と面積比で露出が決定することとなります。
B1:白と暗い色の面積はほぼ同じなので補正無しと考えます
B2:B1とほぼ同じ状態ですので、このパターンでも補正は無しと考えます。
B3:この部分では圧倒的に暗い土の色が多いので露出を明るくしたいと考えます。
B4:B3とほぼ同じ状態ですので、このパターンでも露出を明るくしたいと考えます。
つまり、Bのパターンの部分では平均すると露出を明るくしたいというように判断されます。
よって、Aのパターンでは暗くなるように露出を決めたいが、Bのパターンもちょっと考慮に入れて露出を決めます。つまり、Aのパターンで測った暗くなるような補正量にちょっとだけ、明るくなるような補正量を加え、ちょっとだけ暗くなるような補正量を加えるような露出とします。
でも、あれれ? 実際の写真はかなりハイキー? 理屈と合いませんね? 中央の重要視する部分の面積がもっと広くて黒い土の部分まで重要視しているのかもしれません。それに測光するパターンの形状の違いがありますしね。私自身が殆ど使わない測光方式ですのでイマイチ判っていないのかも?(汗) 
でも、考え方は合っているはずです。

これまで、説明したように、一点だけの露出を測って露出を決定するスポット測光以外の測光方式(多分割測光と中央部重点測光)では、画面の中にある被写体の各々の光の反射率と面積が影響している事が判ると思います。例えば、光の反射率の低い暗い色が大部分を占めるような場面で、光の反射率の高い明るい色が少ない面積だけある場合等は簡単に白飛びを起こし易くなるのです。

ちなみに、このような場面で私が撮る場合は、すかさずスポット測光を選択し、白い花びらで露出を測り、プラス1EVの露出補正を加えて撮ります。
下がその写真で、多分割測光で撮った場合と比べ若干アンダーっで、白い花びらにほんのりと淡い黄色が残り、花びらの質感が出ているのが判ると思います。しかも、土の部分は黒潰れしておらず、ちゃんと色調が残っています。
作例7:スポット測光+プラス1EVの露出補正
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かといって、一つの測光方式は万能ではなく、場面場面で使い分ける必要があります。
次に、どんな場面で各々の測光方式が有効なのかを説明したいと思います。

スポット測光が有効な場面

スポット的な陽を利用して被写体を浮かび上がらせたい場合等
c0135535_1442754.jpg

明暗を使って、主役を明確にしたいという場合には使いたい測光方式です。
必然的にバックを暗く処理する事が多くなりますので、ややアンダー目に撮ったり、コントラストの調整などをすれば、バック更に暗くなり主役を明確にすることができます。

明確に出したい色がある場合等
c0135535_1453137.jpg

白い花を白く写したい場合には目的の色で露出を測る事が重要です。
但し、ネイチャーの場合、自然界って意外と明確な色が存在しません。街中であれば赤や黄色や白や黒と眼で見てはっきりと判る色がありますが、自然界では明確な色の存在は意外と少ないです。なので、たとえばこの色はプラス1EVでOKと判断しても、例えばプラス0.5EVとプラス1.5EV等で露出を変えて撮っておくことも加えて撮る事が意外と重要となります。

多分割測光や中央部重点測光が有利な場合

お祭りや街中のスナップ等で色が豊富にあり、被写体に動きがある場合
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このような写真の場合にスポット測光をしてしまうと、測光部に暗い色の半被の人がきた場合と、白っぽい半被の人がきた場合では露出は大きく変わってしまいます。しかし、多分割測光では、平均的な露出を測っているので、中で人が動き回っても殆ど露出には影響はしません。但し、このような写真の場合、曇空を大きく入れると空が白飛びし易くなってしまいますので注意が必要です。

画面一面に豊富な色がある風景的な写真等
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色が豊富で画面一面にあるのなら多分割測光は間違いなくお勧めです。
スポット測光のように目的の色を探すことなく、そのまま撮って問題はありません。
但し、この場合でも曇空を大きく入れる事は注意が必要です。青空であれば光の反射率は18%に近いので問題はありません。

以上、3回に渡り露出の話をさせて頂きました。
総括をすると以下の点が要点になります。
(1)露出には標準的な露出とハイキーな露出ローキー(アンダー)な露出があり、デジタルの場合、ヒストグラムを見るとそれを明確に知る事が出来る。
(2)カメラの露出は、光の反射率18%の色を基準にして造られており、明るい色の場合はプラス、暗い色の場合にはマイナスの露出補正が必要となる。そして、一つの色を再現させれば全ての色を再現することができる。
(3)測光方式には、スポット測光と多分割測光と中央部重点測光の3つがあり、被写体に応じて使い分けることが必要。但し、多分割測光や中央部重点測光の場合、各々の色の光の反射率と面積の比率が重要となる。
この3点をちゃんと理解できれば、露出に困る事は殆どありません。但し、頭で理解した知識だけでは写真は撮れません。自分でいろいろと経験をすることが大切です。
また基本を理解できていれば、写真関係の本やWEBを読んでも内容を理解する事ができるはずです。いろんなところから更に高度な知識を得ることに役立つと思います。

本来はここで、AEロックの話をするつもりでしたが、露出の基本だけに専念するために今回の説明からは省きました。このAEロックも高度な知識の一つとなります。
もし、AEロックの方法が判らない場合、ご自分の機種でのやり方を調べてみてください。


最後に、今回は基本を重視することで内容を記載しました。基本を守っていれば良い露出の写真を撮る事が出来ます。しかし、その写真が良い作品となるかは別の話です。作品として見た場合には、標準露出や適正露出以上にアンダーで撮ったり、ハイキーで撮って作者の表現意図を示す場合もあります。
でも、その際にむやみにハイキーやアンダーにするのでは二度と同じような作品を撮る事が出来なくなってしまいます。標準露出や適正露出を理解し、どの程度ハイキーやアンダーにすべきかを作者が決めて作品化をすることが必要となるのです。つまり、標準露出や適正露出などの基本を知る事は自分の表現の幅も広げてくれます。

3回に分けて、しかも長々と書いたエントリ、読んで頂いて感謝いたします。
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by chihiro426c3 | 2010-07-24 15:24 | 露出の話
2010年 07月 18日
露出の話 2/3
露出の話の第二回目、今回は” 光の反射率と露出の関係について”です。
“難しそう~”
”面倒な話は嫌い!”
と言う声が聞こえてきそうですが、露出を説明する上で最も重要な部分となります。
これが理解できないと、次回の”測光”の部分では話が理解できなくなってしまいますので、なるべく判り易く説明したいと思います。
長文ですので、覚悟して読んでください。


皆さんは、こんな経験をしたことがないでしょうか?

白い雪を撮ったのに、雪が白くない???
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黒い壁を撮ったのに黒くない???
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実はこれは色の反射率を知らないと当たり前におこる現象です。

カメラは黒いものや白いものを撮る事が苦手なのです。
カメラが得意とするのは18%グレーという色で、この色だけはちゃんと再現するように造られています。
18%とは光の反射率を意味し、100の光を受けたら82を吸収し18を反射するという意味です。ちなみに、白は反射率97~100%、黒は反射率0~3%といわれています。
夏の日差しの強い時、黒い服を着ていると黒は光を吸収するので服の中は暑くなり、白い服を着ていると光を反射して暑さを感じ難くなる事を考えると判り易いでしょうか?
光の反射率18%を再現できるように造られているカメラは、これよりも反射率の高い色(白等)を撮った場合には、“明る過ぎる!”と判断してグレーに近づけるように暗く写します。逆に反射率が18%よりも低い色(黒等)を撮った場合には、”暗過ぎる!”と判断してグレーに近づけるように明るく写します。これが原因となって上の写真のような現象を起こさせるのです。
意外と思われるかもしれませんが、これは高価な100万円のカメラであっても、2~3万円の安価なコンパクトカメラでも同じです。そしてフィルムカメラでも、デジタルカメラでも同じです。
「私のカメラは高価なので、白でも黒でもちゃんと写せるよ!」と思っている方、それは大きな過ちですので気を付けてください(笑)
納得し難いかもしれませんが、カメラとはそのようなものだと理解して下さい。

では、18%グレーってどんな色でしょうか?
18%グレーは下の絵のように白と黒が同じ面積ものを混ぜ合わせて平均的にぼかした色で、下のような色になります。
※18%グレーの元の色は、下のようなマス目状である必要はありません。白と黒の面積が同じであれば、例えば左右対象な白と黒でも構いません。
※平均的なぼかしに関しては、私はPhotoshop Elements 6.0を使い、写真を開いて、フィルタ→ぼかし→平均 を使い作成しました。

18%グレーの元の色 
c0135535_1785518.jpg

 
18%グレー   
c0135535_1773991.jpg


この18%グレーの色は、どんなカメラで撮っても同じ色で再現するはずです。
そして、この18%グレーのヒストグラムを見てみると以下のようになります。
c0135535_1710164.jpg


ヒストグラムの真ん中に一本だけある事が判りますよね?
前回の露出の話1/3で、標準露出は真ん中が中心の裾広がりの山になると説明をしました。
18%グレーは標準露出の中心にあるため、この色の持つ光の反射率がカメラの基準となるわけです。
この色を基準として総てのカメラが造られているため、この光の反射率18%の色はどのカメラで撮ってもそのまま再現するわけです。



それじゃ、白や黒を撮影する場合にはどうすれば良いの?という疑問がわいてきますね。
そのためには露出補正を理解する必要がなります。

私のブログでは良く撮影レシピの中に出てくるのでお馴染みの方も多いかと思います。
一般的には、黒の場合、マイナス2~マイナス3EVの露出補正をすれば黒を再現できます。
逆に、白の場合には、プラス2~プラス3EVの露出補正をすれば白を再現できます。

マイナス1EVとは絞りを固定(F5.6等)とした場合には、シャッタースピードを半分にする事になります。例えば露出補正無しの時に1/250秒のシャッタースピードであれば、マイナス1EVの露出補正をするとシャッタースピードは1/500秒となります。
つまり、露出補正無しの時と比べ、フィルムや撮像素子に当たる光の量が半分となるので写真が暗くなるのです。そして、マイナス2EVの露出補正の場合には、更にシャッタースピードは半分になって、1/1000秒となり、露出補正無しの時と比べ、1/4のシャッタースピードとまります。
また、シャッタースピードを固定(1/250秒等)としてマイナス1EVの露出補正を行った場合には、露出補正無しの時に絞りがF5.6であれば、マイナス1EVの露出補正を行うと、絞りはF8.0と絞られて、光の入る面積が半分となりますので、光の量も半分となり写真は暗くなるのです。
写真が暗くなると言うと聞こえが悪いですが、写真を暗くすることで黒い色を再現し易くなるのです。


プラス補正の場合には、マイナス補正の場合と逆となり、絞りを固定とすればシャッタースピードを遅くし、シャッタースピードを固定とすると絞りを開いてそれぞれ光の量を多くして明るい写真とし、結果として白い色を再現し易くなります。

下の写真は、白い紙を使い、露出補正無し・プラス1EV・プラス2EVで撮った場合と、黒い紙を使って、補正無し・マイナス1EV・マイナス2EVでそれぞれ撮ったものです。
露出補正無しの場合は、かなりショッキングな結果で両方ともグレーとなっており、どちらかというと白い紙の方が濃いグレーとなる結果となってしまいました。
そして、白い紙はプラス2EVした時にほぼ白く表現され、黒い紙はマイナス2EVした時にほぼ黒く再現されていることが判ります。
白を白く、黒を黒く、というようにちゃんと色を再現するような露出の事を"適正露出"と言います。
前回のハイキーで撮った桜や、ローキーで撮ったトラック等は、単にハイキーやローキーで撮ったのではなく適正露出で撮った事を意味しています。
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この結果を見ただけでも、露出補正の必要性を感じて頂けると思います。
つまり、光の反射率を考慮しながら露出を決めないと正しい色を再現する事が出来ないという事です。

参考のため、それぞれのヒストグラムを載せておきます。
白も黒も露出補正無しの場合には18%グレーに近いヒストグラムになっていることが判ると思います。
白い紙:露出補正無
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白い紙:プラス1EV
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白い紙:プラス2EV←ヒストグラムを見ると右端にちょこっとだけ余裕があり、まだ完全に白ではありません。
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黒い紙:露出補正無
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黒い紙:マイナス1EV
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黒い紙:マイナス2EV←ヒストグラムを見ると左側に"白い紙:プラス2EV"以上に余裕があります。黒っぽくは見えますが、黒として写すにはまだまだ補正が必要です。
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それでは、他の色の反射率ってどうなっていて、どのようにして撮ればいいのでしょうか?
まず、18%の反射率を持っている色は18%グレーだけではありません。例えば植物の葉の緑、順光で撮った空の青、日本人の肌色等が18%の反射率を持っていると言われています。
つまり、これらの色はそのまま補正無しで撮ってもカメラは色を再現してくれます。
しかし、植物の葉の緑については、春の若葉の時は明るい緑なので反射率は18%よりも大きくなります。また、深緑と言われるような濃い緑の場合には反射率は18%よりも小さくなりますので、一概に色だけで反射率を判断すると誤った判断をする場合があります。
私は色を見て頭の中で彩度を落としてモノクロに置き換えるようにしています。

下にいろいろな色を載せました。
そして、その下が彩度を落としてモノクロ化したものです。

カラーのままの色
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彩度を落としてモノクロ化
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仮に、右下のグレーが18%の反射率であると仮定すると、上の段の5枚はグレーが濃く、下の段の4枚はグレーが薄い事が判ります。
この濃さを利用して、濃い場合には黒に近づくためにマイナス補正を、薄い場合には白に近づくためにプラス補正をそれぞれ加えます。
おおよそですが、下記のような補正値となります。つまり、例えば上の段の中央の茶色ははマイナス1.5EV、下の段中央の水色の場合にはプラス0.5EVを露出補正をしてあげると、見ためと同じ色が再現することとなります。
c0135535_17133345.jpg


全ての色の補正値を覚える必要はありません。18%グレーだけを覚えて、それよりも濃い色なら徐々にマイナス補正を大きくし、明るい色であれば徐々にプラス補正となる事だけを覚えればOKです。
これは頭の中だけで考えるのではなく、実際に経験して経験の中で覚えていくことが重要な事となります。


でも、今日の話は画面の中が一色で表わせた場合の話。実際に写真を撮るときにファインダーを覗くとたくさんの色があるのだけど、そんな時はどうしたら良いの?という根本的な疑問がわいてきますね。

今までの説明から、黒っぽい色を写す時はマイナス補正、白っぱい物を写す時はプラス補正。
ということは、白と黒を同時に写すことは出来ないのでしょうか?

上で載せた、白い紙と黒い紙を露出補正を変えながら撮った写真に絞りとシャッタースピード(SS)を載せました。
※ISO80、絞り優先AEを使いF2.0、三脚に据え付けて撮影しています。

c0135535_11173567.jpg


露出補正無しの時は、白い紙の場合のシャッタースピードは1/160秒、黒い紙の場合には1/8秒と大きく違いますが、2EVの露出補正を加えた後には、白い紙の場合には1/50秒、黒い紙の場合には1/40秒と殆ど同じ値を示しています。
黒い紙の場合には紙質により若干の光の反射が見られ、ヒストグラムを見ると、左端までに余裕がありましたので、本当はシャッタースピードはもっと早くして光の量を減らした方が適切と思われ、1/50秒で撮ればもっと黒く写るはずです。

つまり、白い紙でも、黒い紙でも同じ条件(絞りとSSが同じ)で撮影できる事が判ると思います。
よって、一つの色を適正露出で測り、撮影することで他の色も正しく再現できる事になるのです。



では、ファインダーの中にあるたくさんの色をどうやって測れば良いのか?
それについては、次回(次週)の測光で説明をしたいと思います。
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by chihiro426c3 | 2010-07-18 12:06 | 露出の話
2010年 07月 10日
露出の話 1/3
以前から露出についてたくさんの方から質問を受けましたので、今日を含め計3回で露出について書いてみたいと思います。
尚、ここに書くのは私個人の考えを書くものです。他の方が読めば、意見が異なる場合もあるかとは思いますが、一人のアマチュア写真愛好家の意見として読んで頂きたいと思います。

露出は難しく考える人が多いのですが、覚えることはとても少ないと思います。
ここでは、なるべく簡単に判り易く記載をするつもりです。
但し説明上、判り難い書き方をする場合もありますので、判らない点は質問をして頂ければ、判る範囲で回答をします。


1回目の今回は露出の基本的な事について書きます。
露出とは?と聞かれて何と答えるでしょうか?
写真でいう露出とは“写真の明るさ”を意味するものと理解して間違いは無いと思います。
露出がアンダーとは暗い写真を意味し、露出がオーバーとは明るい写真を意味します。
そして、この露出を決める手段は、①ISO感度、②シャッタースピード、③絞り、この3つだけです。①のISO感度は一般的には固定した条件で撮りますので、ちょっと意味合いが違うので今回の説明は省略しますので、一般的に露出を決めるのは基本的にはシャッタースピードと絞りの2つでコントロールするものと理解して下さい。
私のブログでホワイトバランスやピクチャースタイルの設定を書きますが、これらは色を設定するものであり、露出とは全く異なります。

絞りのF値と光の量の違い
c0135535_2155748.jpg


次に写真の明るさを決めるのは何でしょうか?
答えは、フィルムや撮像素子に当たる光の量で決まります。この光の量とは、光が通過する断面積と通過時間で決まり、カメラでは光が通過する面積は“絞り”、通過する時間は“シャッタースピード”がその役目をしています。

よく露出を例える例として、コップにたまる水を使って説明されています
水道の蛇口から出てくる水の量は蛇口についたハンドルを回すとたくさん出てきますよね?
このハンドルを回す量をカメラの絞り、そして水がコップにたまるまでの時間をカメラのシャッタースピードに例えています。
つまり、ハンドルをたくさん回して水量を多く出せば(カメラの絞りを開ける(F2.8等))、コップにたまるまでの時間は短くなる(シャッタースピードは速くなる)。
逆に、ハンドルを少ししか回さないと水量は少なく(カメラの絞りを絞り込む(F22等))、コップにたまるまでの時間は長くなる(シャッタースピードは遅くなる)。
でも、ハンドルを回す量と時間は違ってもコップにたまる水の量は同じ=写真の明るさが同じという事になります。

ここで、コップに溜る量が少なくなるようにシャッタースピードを短くしたらどうなるでしょうか?
光の量が足りなくなるわけですから写真は暗くなります。
逆にシャッタースピードを長くした場合はどうでしょうか?
この場合には、光の量が多くなるので明るい写真となります。
写真の場合、この光の量が足りずに暗い写真の事を一般的にはローキー(アンダー)な写真と呼び、逆に光の量が多く明るい写真の事をハイキーな写真と呼びます。そして、ローキーとハイキーの中間で丁度良い明るさの写真を標準露出と呼びます。
下に3枚の写真を用意しました。
上がハイキーの作例、中央が標準露出の作例、下がローキーな作例です。

ハイキー写真の作例
c0135535_1521696.jpg

標準露出の写真の作例
c0135535_15213185.jpg

ローキー写真の作例
c0135535_1521476.jpg


こうやって極端な例が並んでいれば判り易いですよね!
本来はこのように感覚的に捉える事が大事な事だと思いますが、もっと判り易い方法は無いか?という場合にはデジタル写真の場合にはヒストグラムという強い味方があります。

標準露出の写真のヒストグラムを見てみましょう。CANON DPPの場合、RGBタグの中にヒストグラムがあります(オレンジ色の枠内がヒストグラムです)。

c0135535_15234663.jpg


ヒストグラムの見方は、横軸は色の濃さを示しており左側のゼロは黒を、右側の255は白を意味しています。また、縦軸はそれぞれの色が写真全体の中にどれだけの量あるかを示しています。
この写真のヒストグラムを見ると中央が山となって、末広がりの分布を示しており、白から黒までの色をまんべんなく使っていることを示している事が判ります。

c0135535_15243652.jpg


このようなヒストグラムの形を示しているのが標準露出であり、この山の形が左(黒)に偏っているものをアンダーな写真、逆に右(白)に偏っているのがハイキーな写真という事になります。
ハイキーとアンダーな作例のヒストグラムは以下のようになっており、ヒストグラムからもハイキーとローキーの典型的な作例といえます。

c0135535_15251928.jpg


c0135535_15271559.jpg


ちなみに、ローキーの作例ではヒストグラムは左端(黒)にへばり付いているのが判ると思いますが、このように左端にへばり付いた状態を黒潰れ、右側(白)にへばり付いた状態が白飛びとなり、それぞれの色階調情報が無くなっていることを示しています。ハイキーの作例では右側にへばり付いていないので白飛びはしていないようです。

尚、今回はヒストグラムの横軸を便宜上色として説明をしましたが、実際には光の反射率で説明をするのが正しいと思います。

次回(一週間後?)の第二回ではこの光の反射率と露出の関係について、次次回(二週間後?)の第三回では測光方法について、それぞれ記載したいと思います。
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by chihiro426c3 | 2010-07-10 21:28 | 露出の話